科学技術の発展に伴い、人々は強大な古代種のことを伝説上の存在だと考えるようになっていった。しかし、古代種は実在し、人里離れた場所に隠れ住みながら静かに繁栄を続けている。キルステンの「水龍族」も古代種の一つだ。千年以上前から山奥に暮らす水龍族は人間よりも高い知能を持ち、完璧な社会体制を構築しており、その中でキルステンは守衛隊として民を守るという重責を担っている。普段は冴えないキルステンだが、幼い頃から怪力の持ち主で、そのずば抜けた戦闘能力には誰も及ばない。しかし、弱点などなさそうに思える水龍族にも一つ致命的な弱点がある。ある夜、水龍族の縄張りが突如として変異感染体の集団による襲撃を受けた。感染体の攻撃を前に徐々に劣勢に追い込まれていく仲間たちを見て、キルステンは何かがおかしいと感じた。その時、感染体の集団の中から見慣れた人物が姿を見せた。キルステンの親友マデリーンだった。マデリーンは以前からキルステンのことを目の上のたんこぶのように煩わしく思っており、感染体の力を利用してキルステンを超えようと考え、一族を裏切ったのだった。キルステンは感染した体を引きずりながらその場を去った後、このまま死んでなるものかと自らを奮い立たせると、偶然耳にした「学園に抗体を持つ人物がいる」という噂を頼りに、その人物に近づくために学園への入学を決意した。
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